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2021.12/31(Fri)

このお漫画めっちゃよかったよ2021special

今年もグッドお漫画フェスのお時間です。
R氏だよ。

今年読んだお漫画で「あーこれめっちゃいい」ってなったやつをフンフンと置いていくよ、の2021年specialバージョンです。
昨年「2019年のは無いし、来年もやるとも言っていない」と書いてからの2021年版です。
やったね。

いまからでも手を伸ばしやすいよう、なるべく発行巻数が少ない(5巻未満)作品を選んだよ。
2021年版と言っても、2021年に連載開始・第1巻が発売したものだけというわけではなく、2021年に新しく読んだ・積みを崩したなかでよかったものを選んでるよ。
掲載順に意味はない……けれど、ある程度ジャンルや雰囲気で固めて並べてはあるよ。

以降、記事内に出てくるリンクにはすべてアフィリエイト等は無いので、気になったら気軽に反射でポチポチしていこう。
※ ストアへのリンクは今回からKindleのみにしています。その他ストアはお手数ですが、各自検索のうえお探しください。

・去年のやつ
このお漫画めっちゃよかったよ2020special


( -v-)...INDEX...
01. 峠鬼
02. 太陽と月の鋼
03. 虎鶫 とらつぐみ -TSUGUMI PROJECT-
04. ダンジョンの中のひと
05. この世界は不完全すぎる
06. 珈琲をしづかに
07. クプルムの花嫁
08. きみが死ぬまで恋をしたい
09. おとなりの天涯
10. フードコートで、また明日。
11. ゆうやけトリップ
12. 海が走るエンドロール



■ 峠鬼

https://blog-imgs-134-origin.fc2.com/a/n/e/anemonenikoensis/GC21win_01.jpg

★ 第1話: ここで読めます

☆ 第1巻: Kindle

ハルタにて連載中。
現在第4巻まで発売中。作者は鶴淵けんじさん。

古代日本、飛鳥時代を舞台にした古代神話をベースにSF要素等も加えた伝奇ファンタジー。

世の中のありとあらゆる事柄は神の思惑次第と信じられていた時代。
民は生身の人間を生贄として捧げ、神々の機嫌をとっていた。
ある日ひとりの少女に白羽の矢が立ち、そんな生贄に選ばれてしまう。
神事の前日、少女の住む村に道士・役行者とそのお供二人が訪れます。
この出会いが、生贄として命を捧げるその時を待つしかなかった少女の運命を変えることになる、が……。

日本の古代神話をベースにしていることもあり、役小角や前鬼・後鬼といった実際の歴史にも存在する名が出たり出なかったりします。それらを知らなくても楽しめるし、知ると漫画の見え方がまた違ってきたり、より深い真相に気づける・理解できる(あの人は歴史上の人物でいうと実は○○天皇だから、つまりはこのセリフで言及している人物は……みたいな)構造になっており、何度も読めて何度も楽しい作品です。

話の持っていき方というか、漫画的な話の展開の仕方がとにかくうまく、読んでいて非常に楽しい。あと妙が可愛い。

まぁとりあえず第一話を読んでみてほしい。頼む。
今年イチの大当たりだった。1・2巻が出たあたりで買って放置してた当時の自分を問い詰めたい。


■ 太陽と月の鋼

https://blog-imgs-134-origin.fc2.com/a/n/e/anemonenikoensis/GC21win_02.jpg

★ 第1話: ここで読めます

☆ 第1巻: Kindle

ビッグコミックスペリオールにて連載中。
現在第3巻まで発売中。作者は松浦だるまさん。

舞台は日本、天保時代。
ある事情により金属を手にすることができない(持てない)下級武士。この時代に刃物が持てない武士とはつまり致命的であり、仕事も金もない状態が続く。そんな事情が祟っていざこざに巻き込まれ、「もう死んでもいいか」といろいろ諦めたところに謎の女性が現れ、その女性をめぐる下級武士と陰陽師の戦いが始まる……的な。

紙面の躍動感が凄まじく、それでいて場面描写もわかりやすく、ぐいぐい読み進められてしまう。一度ハマると抜け出せなくなるぞ。
徐々に世界や人物などが明らかになっていくそのスピード感もちょうどよく、1巻を読んでいたと思ったら、いつの間にか3巻まで読み終わっていたほど。

今年イチ動いてるところが見たくなった作品。


■ 虎鶫 とらつぐみ -TSUGUMI PROJECT-

https://blog-imgs-134-origin.fc2.com/a/n/e/anemonenikoensis/GC21win_03.jpg

★ 第1話: ここで読めます

☆ 第1巻: Kindle

週刊ヤングマガジンにて連載中。
現在第3巻まで発売中。作者はippatuさん。

核戦争で敗北した260年後の「旧日本」と呼ばれる日本が舞台。ある国が死刑囚たちを送り込み、その旧日本に眠る兵器を回収しようとします。核戦争を経て変わり果てた姿となった日本。その風景にかつてのヒトの姿はなく、闊歩するは謎の進化を遂げた鳥や猿。死刑囚はその地に残されたものを手にサバイバルするなかで、並外れた脚力とパワーを持つ鳥脚の少女と出会う……。

少しずつマップが広がっていく感じや、未知の生物の縄張りに踏み込んでしまったりするなど、オープンワールドゲーム的な感覚で読める作品。残留する情報から少しずつ世界(旧日本)の実態がわかっていきます。そういった手探りで視界を広げていくものが好きな方にはおすすめ。
この世界で特に明らかな異物である鳥脚の少女・つぐみがいいアクセントとなり、物語に緩急をつけていておもしろい。13歳なのもかわいい。

こういうこと・世界なんだろうなというものがある程度見えてきた第3巻。
今度はどんな未知と道中で出会うのかが楽しみな作品。


■ ダンジョンの中のひと

https://blog-imgs-134-origin.fc2.com/a/n/e/anemonenikoensis/GC21win_04.jpg

★ 第1話: ここで読めます

☆ 第1巻: Kindle

webアクションにて連載中。
現在第2巻まで発売中。作者は双見酔さん。

RPGで必ず登場するダンジョン、その裏側。
普段ゲームをやっていて、「この宝箱って誰が置いたんだろう……」「ここにいつもいる敵・ボスは普段何をしているのだろうか」などと思ったことが一度はあるでしょう。ない?
そんな疑問をそのまんま漫画に落とし込んだような作品です。

ダンジョンを運営・管理する側は何を考え敵となる存在や宝箱を配置しているのか、敵は普段何をして何を思っているのか、どんな生活をしているのか……そんな裏側の日常が垣間見えます。
ダンジョン自体はわりとオールドスタイルなダンジョンですが、FAXを使って運営とやり取りするモンスターなど、いまどき(FAXっていまどきか?)な風景もあったり、そのギャップもおもしろい。

読めば「なるほど」と思わせられる、なかなかおもしろい作品。


■ この世界は不完全すぎる

https://blog-imgs-134-origin.fc2.com/a/n/e/anemonenikoensis/GC21win_05.jpg

★ 第1話: ここで読めます

☆ 第1巻: Kindle

コミックDAYSにて連載中。
現在第4巻まで発売中。作者は左藤真通さん。

主人公が体験型のゲームからログアウトできなくなってしまう話。
他と大きく違うのは、主人公が一般プレイヤーではなくデバッガーであること。

いわゆるデバッグモードやゲームバグのあるあるネタも散りばめられていて、それらが物語世界においても、物語においてもうまく作用しています。
立ちはだかる敵対勢力などへの立ち向かい方も、ただ戦うだけではなく、定期的にデバッグを行い、この世界のバグをいろいろ知っているが故の手段や仕様の隙をつくような方法で対抗・攻略する場面等もあり、なかなかおもしろい。

敵となるキャラクターが軒並み結構胸くそ悪い言動をしてくるので、苦手な人には結構苦手かもしれない。
けれども、それも含めての「不完全な世界」なのかも。

ちょっと変わった異世界モノを読んでみたい方へおすすめ。


■ 珈琲をしづかに

https://blog-imgs-134-origin.fc2.com/a/n/e/anemonenikoensis/GC21win_06.jpg

★ 第1話: ここで読めます

☆ 第1巻: Kindle

モーニング・ツーにて連載されていました。
現在第5巻まで発売中、完結済み。作者はみやびあきさん。

珈琲の雑学がいろいろ身につくタイプの漫画ではなく(ゼロではない)、「大人」に憧れて喫茶店に入った男子高校生が、和服の似合う喫茶店の女性マスターに恋をする漫画。

珈琲の味がわかるようになったら「大人」だなんて言うけれど、これはそんなまだ「大人」になりきれないふたりが家族や友人、お客さん等、様々な人と関わるなかで、過去との折り合いをつけたり、気持ちに気づいていく成長過程を柔らかく・優しく描いていた作品です。

心がかき乱されるような展開やぶつかり合いは無く、読んでいると穏やかな時間が流れるお気に入りの喫茶店にいるような感覚にもなる、あたたかさに満ち満ちています。

最後の最後、カバー裏まで含めて「いい作品を読んだなぁ」と最高の読後感があった。


■ クプルムの花嫁

https://blog-imgs-134-origin.fc2.com/a/n/e/anemonenikoensis/GC21win_07.jpg

★ 第1話: ここで読めます

☆ 第1巻: Kindle

ハルタにて連載中。
現在第2巻まで発売中。作者はNamoさん。

1枚の銅板を鎚で打ち延ばして作る鎚起銅器の職人と金髪ギャルの幼馴染日常ラブコメ。
実際に金属加工業が盛んな新潟県の燕三条を舞台としており、銅器を作る様子だけでなく、食生活等、随所から取材の緻密さが感じられます。
ちなみに、ギャルと言っても、金髪ピアス程度で素直でかわいらしい女の子です。なんなら口数の少ない主人公もかわいい。無口男子と明るい女子の組み合わせ、いいですよね……。

そんなかわいいふたりが微笑ましく、銅器職人の世界を通じて関係を深めていく作品。
ゆっくりと、一歩ずつ愛を深めていく。そんな様子が好きな方へ。

ちなみにこれ、電子より紙を勧めます。
理由は触ればわかるし、それが作品のテーマにも繋がってます。(多分)


■ きみが死ぬまで恋をしたい

https://blog-imgs-134-origin.fc2.com/a/n/e/anemonenikoensis/GC21win_08.jpg

★ 第1話: ここで読めます

☆ 第1巻: Kindle

ゆりひめ@ピクシブにて連載中。
現在第4巻まで発売中。作者はあおのなちさん。

いま最も感情がぐちゃぐちゃになる百合2021。

身寄りのない子供を兵器として育てる学校が舞台。(重い)
少女たちはそんな学校で、戦争に勝つための手段を教えられ、選ばれたものは戦場へと送り出される。(重い)
これは遊びではなく本当の戦争、当然生きて帰れないことも多い。(重い)
そんな世界/学校で主人公・シーナは、血まみれで帰ってきた女の子・ミミと出会い、ルームメイトになり……。

これは、“死”がすぐ隣りで手招きしている世界で戦い、願う少女たちのお話。
細く儚いキャラクターの境界と美しくも恐ろしい世界と物語が痛々しいほどにマッチしていて、心がグワーッとなること数え切れず。
ただいちゃついてるだけではなく、読んでいて心を乱される美しい百合は最高。

読んでほしい。
躊躇せずぜひ読んでほしい。


■ おとなりの天涯

https://blog-imgs-134-origin.fc2.com/a/n/e/anemonenikoensis/GC21win_09.jpg

★ 第1話: ここで読めます

☆ 第1巻: Kindle

コミックウォーカーにて連載中。
現在第1巻が発売中。作者はきぃやんさん。サラダボウルはいいぞ。

絵に描いたような(漫画だけに)(?)ブラック企業に務めるOL、ルノ。
仕事に疲れて帰ると、家のバスルームが異世界に繋がっており、そこに住むのじゃロリ・コイチと出会い、あっちとこっちを行ったり来たりするお話。

異世界転生ではなく、異世界と繋がり行き来するタイプなので、ルノ側の世界での話とコイチ側の世界の話が交互に展開します。ルノとコイチ各々にとっての異世界側での不思議な体験をキッカケにふたりの関係が深まったり、自分自身を見つめ直す機会になったりするので、異世界の冒険やおねロリひゃっほーというよりは、それぞれの成長を楽しむ・楽しめる物語だと思います。
片や魔法が飛び交う殺伐とした世界……みたいな異世界ではなく、現実世界と似たような部分が多くを占めている異世界なのが、前述の互いの成長を際立たせる要素にもなっていて、なかなかいい。

疲れたOLとロリの組み合わせは最高!!!


■ フードコートで、また明日。

https://blog-imgs-134-origin.fc2.com/a/n/e/anemonenikoensis/GC21win_10.jpg

★ 第1話: ここで読めます

☆ 第1巻: Kindle

コミックNewtypeで掲載されていた作品。
単行本は全1巻。作者は成家慎一郎さん。

これは、全国各地のフードコートを食べ歩いたりするグルメ漫画ではない。
黒髪ロングと金髪ギャルの女子高生2人(たまに増える)が放課後に近所のフードコートで駄弁る漫画です。
終始、ただそれだけ。だが、それがいい。
向き不向き、好き嫌いが真っ二つに割れる作品だとは思いますので、まずは上記リンクより何話かお読みになられることを推奨。

コロコロと変わる話題、その切り替わりの速さと唐突さ、話の中身のどうでもよさと、そのまぁまぁな盛り上がり具合が、そんな感じだったなぁ……ってなる。
不思議と「もっと見ていたい」と思える、そんな平和な作品。

ちなみに全1巻ではありますが、(その後の動向は全く見えていませんが)続編となるSEASON2も現在執筆中とのこと。
ありがとうございます、生きがいです。


■ ゆうやけトリップ

https://blog-imgs-134-origin.fc2.com/a/n/e/anemonenikoensis/GC21win_11.jpg

★ 第1話: ここで読めます

☆ 第1巻: Kindle

COMIC FUZにて連載中。
現在第1巻が発売中。作者はともひさん。

新聞部の女の子・茜は不運にも、心霊スポット雑誌をキッカケに学校でみんなが噂するまでに広まった、ご町内心霊スポットの取材を任されてしまう。
彼女は放課後の教室でひとり残っていた転校生・雨村さんに声をかけ、階段と坂の町の心霊スポットの真相を調べるふたりの放課後が始まります。

一話完結形式で、一話一つの心霊スポットの謎を解き明かしていきます。
心霊スポットの謎を解き明かすとは言っても、恐ろしいホラー要素であったり、手に汗握る超常現象との戦い……みたいなものはありません。
どれも真相を知ってしまえば「なんだそんなことか」と言ってしまいそうな、日常のすぐそばに転がっている勘違いから始まったような、優しい怪談。
風景の独特なタッチと書き込みもあいまって、カテゴリ的には怪談漫画なのに、とにかく優しく尊い作品。

ぜひともこのノスタルジーとちょっとのミステリアスが混じり合った、儚い夕焼けを感じてみてほしい。
カラーページの使い方や、各話終わった後に4コマ形式でその一日をしめるというやり方がめっちゃすき。


■ 海が走るエンドロール

https://blog-imgs-134-origin.fc2.com/a/n/e/anemonenikoensis/GC21win_12.jpg

★ 第1話: ここで読めます

☆ 第1巻: Kindle

ミステリーボニータにて連載中。
現在第1巻が発売中。作者はたらちねジョンさん。

夫と死別したおばあちゃんが65歳にして映画作りを始める話。
十数年ぶりに訪れた映画館で映像専攻の美大生と出会い、おばあちゃんは映画館のスクリーンよりも客席を気にしている姿から彼に「あなたは映画を作りたい側の人間だ」と指摘され、自分に眠っていた気持ちに気づき、物語が動き出します。

おばあちゃんは彼と同じ美大に入り、映像について学んでいくなかで様々な苦しみや喜びと向き合うことになります。そんな心象風景描写に(登場人物の名前にちなんでか)度々海や水を使った表現が出てくるのですが、それがなかなか効果的で美しい。映画の海に飛び込んだおばあちゃんはどこへ向かうのか。

「何かを始めるのに遅すぎることはない。頭ではそうわかってはいても、実行に移すよりも段々と“やらないための言い訳”に逃げることの方が多くなった。」
そんな言葉にちくっときた人にはぜひとも読んでいただきたい作品。
今年一番重くのしかかってきたけれど、気持ちのいい読後感のある作品でした。



そんな感じで12作品をピックアップしました。
初期段階では20作品を越えていましたが、来年以降の展開次第ではここから這い上がってくる作品もあるかも。

このなかで特に今年何度も読み返したのは『峠鬼』と『きみが死ぬまで恋をしたい』。
『峠鬼』の読んでるときのワクワク感は久々に感じたかもしれない。
『きみが死ぬまで恋をしたい』の儚さと心が締め付けられる百合はとにかく性癖です。ありがとうございます。

このなかから、ひとつでも読んでよかったと思える作品があれば幸いです。
ぜひ手にとってみてほしいです。

それではよいお漫画を、よいお年を。





Kindle氏へ
カート機能まだですかね?
ぼくより

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