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2022.07/20(Wed)

ただの感情の一筆なぐり書き / 水瀬いのりさん 4thアルバム『glow』

いのりさんの4thアルバム『glow』が本日発売されました。
ドンパフおめでとうー。

これは、アルバム初聴一周目の最中にリアルタイムに唸りながら書きなぐった、ただの新鮮な感情の羅列。
まとまってません。


世界がなんともいろいろ難しい状況になったこともあり、ライブは少し前から戻りつつありますが、こうして多くの曲をパッケージングした形を世に放つのは実に3年ぶり。
今回のアルバムの最古となるシングル曲は『ココロソマリ』となるわけですが、それも2020年2月リリース。
たしか、2019年の11月頃にタイアップ作品の先行上映を映画館へ見に行ってそこで初めて聴き、「こういう曲をA面に切れるようになったんだなぁ」と妙なところで感動した記憶があります。

そんな久々のアルバムは、ある種リスタートのようなもの、こっから新しく突っ走ってくぞみたいな前のめりぎみな一枚になるのかなとぼんやり思ってましたが……そんなことない、思ったよりもかなり優しい一枚でした。

全体的に歌い方が抑えめというか、いい意味で起伏が少ない。穏やかな波を受けているような気持ちになる。
『sunrise glow~僕らだけの鼓動』と『We Are The Music』が特に特徴的。前者なんて開幕の曲で田淵作曲というのと、Instrumentalから繋がる構成が明らかにライブを意識してるなとリリース前からわかっていたので、ゴリゴリのロックで爆発させてくるのかと思ったけれどそんなことはなく、実際にはさぁこれから楽しい音がたくさん出てきますよみたいな、次々料理を取りたくなるような気持ちになる曲だった。Cメロで急にむせ返るほどの田淵節が一気に溢れ出てくるところが面白い。彼この展開というか進行好きだよな。

『We Are The Music』もフロアど真ん中でずっと踊ってるというよりは、最初は壁に寄りかかって横揺れしながら飲んでたけど、だんだんアツくなってきて盛り上がっちゃうみたいな高揚感がある。でも、音とボーカルは常に一定のバランスを保っていて、そんななか体の揺れをじわじわ変えてくる展開づくりで沸かせてくる。このあたりの手腕はさすがTAKU INOUEだなぁと思わせられる。起伏が少ないのに、歌い方から楽しさが伝わってくるってすごくないですか?これが音楽ですよ。We Are The Music。
この曲聴けば聴くほどもっといろいろ語りたくなる。ならん?

続く『風色Letter』が良すぎて。
いいよなぁ。ほんといい。今回のアルバムで一番好きかも。
とてもわかりやすい古き良きミドルテンポJ-POPという感じなんですが、『We Are The Music』から続けて聴くと、火照った体を涼風が吹き抜けていくような感覚がして、非常にいいクールダウンポイントになってる。00年代くらいに机に突っ伏して寝ながら聴いてたラジオで流れてた気がする(歴史改竄幻視)
いやほんま『風色Letter』良すぎん?ものすごい直球って感じの曲、すきだ。
『風色Letter』を語る会したい。

『八月のスーベニア』もやはり過去の同氏の曲に比べたら抑えめ。でも、それが歌われてる情景にマッチしていてなかなかエモい。一ヶ月後くらい、8月末~9月頭頃にまた聴きたくなる。
お。歌詞に出てくる「ジニア」はお花ですね。百日草のことです。このお花は名前の通り開花期がかなり長くて、春から秋まで楽しめるお花のひとつなんです。その特徴に由来してか、代表的な花言葉は「遠い友を思う」や「別れた友への想い」といった、時間の経過に関するもの。それを念頭に、もう一度歌詞を読んでみてください。きっと解像度があがると思います。
花の名前が出た途端急に饒舌になったね。仕方ないね。

テンポアップしていくゾーンの締めを飾る新曲『パレオトピア』。毎度おなじみ(だと勝手に思ってる)栁舘曲ですが、なんとまぁいろいろな意味で難しい曲だこと。こういう明るく強めのアレンジで、弱さを歌うのにオタクは弱いということをよくわかっていらっしゃる。おれは!!!!弱いっ!!!!(ドン)
弱さをうたう控えめなアレンジの1番から打って変わって、少しずつ立ち上がっていきながらダンサブルに展開する2番以降の対比がむっちゃ物語していていいんだよな。最後の2行が救済って感じで終わるのも心地がよいよね。救いはあります。

トリを飾るは表題曲、『glow』。
これは間違いなく“抱擁”です(キモオタクフェイス)
いろんな作品でよくあるじゃないですか。なんかこう、自分の後方少し上の方からふわって天使みたいのが覆いかぶさるような構図。曲がそんな感じで降ってきた。天使……?天使だな。私にglowが舞い降りた。わかる。
全景を聴いたときにそんな気持ちと一緒に、「これはもう抱擁や……」と。うん。成長したなぁ(謎目線)
輝きは輝きでもビカビカした光のような眩しいものや神々しいものではなく、本当に何気ない日常のすみっこに転がってるもの、みたいな……地面に落ちた木漏れ日がハートの形に見えてしあわせ~みたいな……何書いてんだろうな……なんかそういう、ちっちぇえけど必要・大切なものってあるじゃないですか。そういうやつですこの曲は。やは~。
表題曲であり必須栄養素。ぼくはこの曲を聴いてニッコニコです。
今回のアルバムが前述のような音楽的優しさに満ち満ちた形になったのも大きく納得がいく、表題にふさわしい曲。
A~Bメロのメロディラインまじで好き。涙出そうになるくらい刺さる。



4thアルバム『glow』。
アルバムとして聴いたとき、今までで一番好きなアルバムかもしれない。
なんかいままで一番自然体なアルバムというか、キティキャとかシュビドゥワみたいなよそ行きの曲がない、THE・本人みたいなアルバムだった気がする。
曲単体で見ていくと新しい一面だったり、こうきたかーみたいのも確かにあるにはあるのですが、今回はそれよりも「1st~3rdで広げたもの・見つけたものをたしかな礎として、自分自身をもう一段上に引き上げる」みたいなものを強く感じた。Overtureが入ってるのもそう感じさせる要因のひとつだと思う。
彼女ってわりと昔から、私(水瀬いのり)はなにがどうあってもこうなんです、はい、みたいなところあるじゃないですか。4枚もアルバム出しても、やっぱりそういう根っこの部分変わってないんですよ。安心するんですよね。
それでいて、当時では歌えなかったようなものもしっかりと見せてくれていて、『glow』(曲)を聴き終わる頃には「ここから先もここに在りたいなぁ」と思わせてくれたのは嬉しかった。
あーそう、聴いていて全体的に“嬉しかった”んだよな。うん、嬉しいな今。
なんかものすんごい抽象的な話でアレなんですが、心が嬉しかったんだ。

じゃあ、もっかい聴いてくる。
皆さんもどうぞ。

ここから各種配信サービスで聴けます。





あ、『Melty night』は大人になってから聴こうね!


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